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年225万件のフィードバックが空港を変える──daaが実現したリアルタイム改善サイクル

「HappyOrNotを導入したことで、乗客フィードバックの解釈が根本から変わりました。以前は四半期ごとのレポートを待つしかありませんでしたが、今では継続的なシグナルをその日のうちに行動に転換できます。最も効果が高い場所に集中して取り組めるようになりました」 Niall Kierans daa 空港運営変革部門 ビジネスデータアナリスト
業種:交通・運輸  地域:アイルランド
  • 年間 225万件以上の乗客フィードバックを収集
  • トイレ利用体験の NPS が 3 ポイント向上
  • SQM(サービス品質基準)関連の違反罰金が 80%削減
  • アイルランド「最も信頼される企業」ランキングで 22 位上昇(2024年)

厳しい品質基準を課された国際ハブ空港の課題

daaはアイルランドの主要国際空港(ダブリン空港・コーク空港)を運営する企業です。両空港合わせて年間4,000万人以上の旅客を受け入れ、欧州・米国・中東を結ぶ空の玄関口となっています。 空港は大規模で人の流れが絶えず、時間に敏感な現場です。daaはアイルランド航空局(IAA)の規制のもと、待ち時間・トイレ品質・スタッフの対応・旅客体験全般について厳格なサービス品質指標(SQM:Service Quality Measures)を満たすことが求められています。たった一四半期の基準未達であっても、高額の罰則や評判への深刻なダメージにつながりかねません。 経営陣は、旅客が各接点でどのように感じているかをより明確に・継続的に把握する手段を求めていました。品質基準違反のリスクが顕在化する前に手を打ち、旅客体験と商業成果の両方を改善する機会を逃さないためです。

リアルタイムの乗客シグナルが明らかにするもの

daaは2013年にHappyOrNotと提携。チェックイン・トイレ・セキュリティ・小売・搭乗ゲートに8台のSmiley Terminal™を設置することから始まりました。2025年時点では、ダブリン・コーク両空港にSmiley Terminal 62台、Smiley Touch™ 55台を展開。空港運営・ラウンジ(ダブリン)から、セキュリティ・飲食・小売・トイレ(コーク)まで、あらゆる接点をカバーしています。 この包括的な体制が継続的かつ実践的な改善を支えています。各フィードバックには時刻と場所の情報が付与されており、蓄積されたデータからは次のような傾向が明らかになりました。
  • 行動・運営パターン:旅客の満足度は時間帯によって変化し、スタッフの休憩や交代シフトのタイミングにピーク時の落ち込みが顕著に現れる。
  • 施設レイアウトの影響:混雑エリアの収容人数が少ないトイレは評価が低く、ターミナル・ゾーン・パートナーエリアによってパフォーマンスに差がある。どこに投資・改修すべきかが一目瞭然。
  • 来訪者属性の傾向:Smiley TouchのAI機能「Demographics(属性分析)」を活用したところ、フィードバック回答者の58%が男性乗客(総旅客数に占める割合は43%)であることが判明。男性は女性に比べ、非常に高い評価か非常に低い評価をつける傾向がある。
  • 回答の深さ:回答者の約80%が追加質問にも答え、22%が自由記述コメントを残している。不満を持つ旅客がコメントを残す確率は満足した旅客の2倍。低スコアの背景把握に欠かせない情報源となっている。
分析結果は定期レビューで共有されるほか、Power BIダッシュボードに統合されています。フライトスケジュール・スタッフ配置・通行量などの運営指標と体験データを重ね合わせ、優先課題を明確にすることができます。
「HappyOrNotによって、従来は気づかなかったパターンが浮き彫りになりました。混雑エリアの収容人数が少ないトイレが特に低い評価を受けていることがわかり、そのデータが施設投資の意思決定を経営層に対して訴えるうえで欠かせないものになっています。将来の施設計画においても、より賢明な判断を下す助けになっています」 Niall Kierans

「見える化」から「現場での行動」へ

HappyOrNotのデータはダッシュボードの中だけにとどまりません。現場の行動に直結しています。 daaはリアルタイムアラートとライブビューを活用し、スコアが基準値を下回ると現場マネージャーに即通知します。特定のトイレブロック・セキュリティレーン・小売エリアの満足度が低下した場合、現地スタッフがその場で対応できる仕組みです。 データをきっかけに実施されたアクションの例:
  • 即時対応:清掃チームの出動、備品の補充、スコアが悪化した際の追加レーン開放。
  • 戦術的改善:ピーク時に合わせたシフト調整・清掃スケジュールの最適化・行列レイアウトの見直し。
  • 戦略的意思決定:長期的なパターンを根拠にした、レイアウト変更・収容力増強・パートナー改善プログラムへの投資判断。
フィードバックを「監視→計画→改善」の継続サイクルへとつなぐ仕組みが確立され、運営・商業・パートナーの各チームが同じ体験データをもとに動けるようになりました。
「前線チームはHappyOrNotのライブアラートを頼りに、問題が起きたときに素早く動いています。全員が旅客体験に集中でき、スタッフ一人ひとりが自分の仕事にオーナーシップと誇りを持てるようになりました」 Niall Kierans

SQM順守・乗客満足・商業収益の同時改善

継続的なフィードバックと的を絞った対応の組み合わせが、明確な成果を生んでいます。 定量的な成果:
  • トイレのNPSは2023年以降、毎年改善し、航空局のSQM評価スコアと連動して向上。
  • 2025年は前年比4%増(約120万人増)の旅客を受け入れながら、トイレNPSは55(2024年)から58(2025年)へ上昇。旅客数増加のプレッシャーの下でもサービス品質を高め続けた結果です。
  • HappyOrNotのリアルタイムデータが的確な対応を促し、SQM関連の違反罰金を大幅削減。プロアクティブなフィードバック管理による明確な投資対効果(ROI)が実証されました。
さらに、空港評議会(ACI)の調査によると、旅客満足度の1%向上は小売・飲食分野での支出を1.5%押し上げる相関関係があります。daaの満足度向上は商業的な収益増加にも直結しています。
「HappyOrNot導入後、フィードバックにもとづいて改善を重ねたエリアを中心に、乗客満足度が明確に向上しました。規制への適合水準も上がり、罰金を大幅に削減できました。2024年にダブリン空港がアイルランド『最も信頼される企業』ランキングで22位上昇したことは、旅客体験が着実に改善している証です」 Niall Kierans
定性的な成果として、チームにオーナーシップと誇りの文化が根付きました。旅客はスタッフの可視化された取り組みを実感するようになり、より一貫したサービス提供と部門横断的な連携が生まれています。

旅客体験を見る「視点」そのものが変わる

daaにとって、HappyOrNotは個々の接点を改善するツールにとどまらず、旅客体験全体を組織がどう捉えるかを変えるものになりました。
「HappyOrNotを使うことで、私たちの視点が変わりました。何を測るか、そしてどれだけ素早く対応するかが本当に重要なのだと気づいたのです。これまで持っていなかった旅客体験の『見る視点』を与えてくれたツールです。それが、旅行体験を真に高める改善を優先するための原動力になっています」 Niall Kierans
旅客数の増加が続くなか、daaはこのフィードバックサイクルを、規制要件への先行対応・空港ブランドの維持・持続的な事業成長を実現するための不可欠な基盤と位置づけています。

daaについて

daaは15ヵ国で事業を展開するグローバルな空港・旅行小売グループです。アイルランドのダブリン空港・コーク空港の運営に加え、小売・空港マネジメントの国際事業も手がけています。両空港合計で年間4,000万人以上が利用し、欧州・北米・中東・その先の目的地へと旅客をつないでいます。

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