空港は今、難しい綱渡りを迫られています。旅客の期待が高まり続ける一方で、業務の複雑さも増しています。旅客数の変動や人員の逼迫、保安上の要件、天候による混乱まで、空港の運営者はますます厳しい環境で円滑かつ効率的な移動を提供しなければなりません。
明るい材料もあります。旅客満足度は良い方向へ向かっているようです。HappyOrNotは、空港の満足度を左右する要因を理解するため、2025年5月から2026年5月にかけて50か国以上の空港で集めた2,480万件の旅客フィードバックを分析しました。その結果、旅客の行動、業務の状況、そして満足度に最も影響する空港内の接点について貴重な気づきが得られました。
旅客満足度は改善が続いている
現場の負担が増すなかでも、空港の満足度は過去3年間で着実に上昇しています。旅行が増える春の3〜5月では、満足度スコアが年々一貫して改善しました。
| 月 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|
| 3月 | 81.5% | 83.7% | 85.5% |
| 4月 | 81.5% | 83.4% | 85.4% |
| 5月 | 82.1% | 85.1% | 86.0% |
2026年5月は3年間で最高の86.0%を記録しました。多くの空港が、増える旅客数と業務上の難しさに適応しながら体験を高め続けていることを示しています。効率化、接客、デジタル化、体験管理への投資が測定可能な成果につながっているという心強い証拠であり、顧客体験を差別化の鍵として重視する動きが世界的に強まっている傾向とも一致します。
満足度を最も高めるのは「人による支援」
項目別に見ると、はっきりと際立つのは「人が大切だ」という点です。旅客支援がすべての分野で最高の87.5%を記録しました。ここには職員の礼儀正しさや親切さ、サービス品質、旅客への案内、顧客への連絡が含まれます。
次いで空港への到着・入場が87.3%、ターミナル環境が82.4%でした。技術や設備、自動化も重要ですが、旅客が情報を得て安心し支えられていると感じるうえで、人と人とのやり取りは依然として決定的です。たとえばヒースロー空港は即時の旅客フィードバックで主要な接点のサービス品質を監視し、現場が素早く対応できるようにしています。
「空港での満足度の落差」:どこで満足度が下がり始めるか
最も興味深い発見の一つが、旅程の中で旅客の感情がどう変化するかです。旅客はたいてい前向きな気持ちで旅を始めますが、不満の要因にぶつかるたびに満足度は少しずつ下がっていきます。
空港への到着・入場は87.3%と最も高い段階の一つです。チェックイン、保安検査、搭乗、施設利用と進むにつれて満足度は低下します。搭乗までの手続き(チェックイン・保安・行列管理・搭乗)は80.2%、店舗・飲食などの利用体験(小売・免税・飲食)は82.2%でした。
最大の落ち込みは手荷物受取で起きます。手荷物体験の満足度はわずか35.6%と、全項目の中で群を抜いて最低でした。旅客は高い満足度で旅を始めますが、引っかかりが積み重なるたびに全体の体験が損なわれ、受取に着く頃には遅れや待ち時間、非効率が満足度に大きく影響します。だからこそ、旅程を、個々の接点の寄せ集めではなく、ひと続きの体験として捉えることが重要です。ダブリン空港やコーク空港は、複数段階で即時フィードバックを活用して不満の要因を素早く特定し、部門をまたいで改善を進めています。
繁忙期に備えるために
満足度は、旅客がいつ空港を通るかによっても大きく変わります。
曜日別:最も高いのは水曜日(86.6%)、最も低いのは日曜日(84.1%)。
時間帯別(高い順):午前4時(87.8%)、午前8時(87.3%)、午前7時(86.7%)。
低い時間帯:午後11時(78.7%)、午前0時(79.4%)、午後10時(80.1%)。
平日は旅客数が少なく行列も短くなりやすい一方、日曜は帰宅需要で混み合います。満足度は混雑前の早朝に最も高くなる傾向があります。運営チームにとっては、人員配置や資源配分を一日の需要の変化に合わせることの重要性を示しています。
夏は依然として最も厳しい季節
データによれば、夏は空港運営にとって最も負荷の高い時期です。調査期間中で最も満足度が低かったのは8月(82.4%)で、7月(82.5%)が続きました。興味深いことに、両月とも繁忙と悪天候のある12月(83.4%)を下回りました。夏の高い旅客数が、保安検査、行列管理、手荷物処理、ターミナルの収容力、旅客への連絡、飲食サービスに大きな負担をかけていることがうかがえます。世界の旅客需要は今後も伸びると予測されており、繁忙期に問題が広がる前に、旅客の感情を即時に把握することが、いっそう重要になっています。
なぜ即時の旅客フィードバックが重要なのか
業務指標は「何が起きているか」を示し、旅客フィードバックは「なぜそうなるか」を説明します。従来のアンケートは体験の数日〜数週間後に集まることが多く、その頃には対処の機会は過ぎています。即時フィードバックはこの流れを変えます。
旅程を通じてその場で声を集めることで、特定の接点の感情を即座に可視化できます。これにより現場は、問題が生じた瞬間に検知し、不満が広がる前に特定できます。さらに、行列や混雑の影響を監視し、接点ごとの品質を評価し、改善の効果を測り、資源を効果的に振り分けながら、継続的な改善を進められます。何より、後追いの問題対処から先回りの体験管理へと移行できます。空港の小売・飲食を運営するUnison Retail Managementでも、即時フィードバックが問題の早期発見と商業成果の支援に役立っています。
旅客の声を業務改善につなげる
旅客の期待は今後も変化し、空港は制御しきれない業務上の圧力に直面し続けます。優れた体験を安定して提供するのは、最新の施設や潤沢な予算を持つ空港とは限りません。継続的に耳を傾け、不満の要因を素早く見つけ、旅客の気づきを業務改善に活かす空港です。2,480万件のデータは、全体として満足度が改善している一方で、不満の要因を減らし品質を高める大きな余地が残っていることを示しています。即時の旅客フィードバックと業務データを組み合わせれば、より的確な判断と優先度づけが可能になり、すべての旅客により良い体験を届けられます。
空港をはじめ来客の多い施設で、即時フィードバックがどこで最も効果を発揮するか。まずは資料請求・お問い合わせから、お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら。
よくあるご質問
Q. 空港における旅客フィードバックとは?
移動の各段階で旅客の感情や意見を集め、サービス品質の把握と改善に活かす仕組みです。
Q. マイクロフィードバックとは?
体験の場で短く感情を尋ね、任意で追加質問を加える方法です。負担が小さく参加率が高まります。
Q. なぜ即時フィードバックが空港運営に重要か?
問題が起きた瞬間に検知でき、後追いではなく先回りの対応が可能になるためです。
Q. 満足度に最も影響する分野は?
職員による旅客支援で、今回の分析では87.5%と最も高いスコアでした。
Q. なぜ手荷物受取の評価は低くなりやすいのか?
旅程の最後に位置し、遅れや待ち時間など積み重なった引っかかりが集約されるためです(今回は35.6%)。